■ 診療科目 > カウンセリング・心理療法
当院では、産科・婦人科領域の患者様にとどまらず、さまざまな悩みを抱える患者様への外来カウンセリング・心理療法をおこなっております。児童相談所、病院(小児科・精神科)、学校、刑事施設等で心理的支援につとめてきた臨床心理学の専門家がお受けいたします。
カウンセリング・心理療法INDEX
日々の生活で遭遇する困りごとに対して、生活上の助言等に重点をおく「カウンセリング」、直面している困りごとを改善するために人格の成長を促すことをねらい、患者様と心理士が 共にする 場をもとにして、じっくりと時間をかけて、より深く心のなかを、すなわち意識の世界だけではなく無意識の世界も大切に受けとめていく「心理療法」とがあります。どのように進めていくかは、心理士との相談の上、決めていきます。 心理療法では困りごとの改善のみならず、自分をとりまく人々や学校・職場・家庭といった自分の置かれている 環境 との付き合い方、そして自分の性格や心の動きといった 自分の心 との付き合い方、両面について新たな気づきや成長を得ていく、そのよすがとなるよう目指しております。
令和元年の新棟増築にともない、カウンセリング・心理療法のための新たなセラピールーム、専用の待合スペースを設けました。子どもの心理療法もおこなえる十分な広さ、設備を完備しました。料金の清算等も心理士がおこなうため、他科受診の患者様と顔を合わせずに来院~お帰りいただくことができます。 初来院時は、医療事務手続きの関係で、受付のあるA棟に来ていただく必要がありますが、カウンセリング・心理療法開始以降は、そのままセラピールームのあるC棟の専用の待合スペースにお越しください。
専用待合スペース
セラピールーム
未就学児・小学生
思春期・成人
予約制となっております。カウンセリング・心理療法の開始前に、どのようなことでお困りなのか、相談内容の概要を50分ほどのお時間で心理士がうかがう“インテーク”をおこないます。カウンセリング・心理療法が、お困りごとの改善にお役立てできるか、お話をうかがいながら検討させていただきます。
電話予約は、24時間随時受付けております。お電話にて、カウンセリング・心理療法の希望の旨をお伝えください。インテークの日時予約をお取りします。インテークを経て、カウンセリング・心理療法は開始となります。
予約電話 :
0485-80-7877(カウンセリング専用回線)
24時間随時受付けております。基本的に留守番電話となっておりますので、①お名前、②ご連絡先電話番号、③メッセージをお残しください。主に、月曜日・木曜日・金曜日・土曜日・日曜日のいずれかの曜日に折り返しご連絡し、予約の日時を調整いたします。
さめじまボンディングクリニックの電話番号とは異なりますので、お間違いないようお掛けください。
現在、当院通院中でご希望の方は、診察時に医師や、処置時に助産師・看護師等にその旨お伝えいただくのでもかまいません。
月曜日、木曜日、金曜日、土曜日に
それぞれの心理士がカウンセリング・心理療法を担当いたします。
月曜日 9~17時(5枠) | 山下 順子 |
木曜日 9~17時(4枠) | 髙畑 真弓 |
金曜日 9~17時(6枠) | 山下 順子 |
土曜日 9~17時(4枠) | 髙畑 真弓 |
曜日不定 | 鮫島 圭輝 |
一般的に知られている「カウンセリング」とは、問題の解決にあたって、心理士とともに客観的に自分をふり返ること、言葉のやりとりに重点をおかれていることが特徴的です。おおよそ中高生くらいの年齢以上に適応されます。
では、中高生や大人ほどまだじゅうぶんに振り返ることができず、自分の気持ちをくわしく言いあらわせない幼児や児童にはカウンセリング(心の支援)はおこなえないのか?という疑問がうかびますが、そうではありません。
子どもへのカウンセリングの方法のひとつに、プレイセラピー(もしくは遊戯療法)があります。これは、言葉のやりとりをメインとはせず、「遊び」に重点をおいた心の支援方法です。
プレイセラピーは、誰に強制されることもなく、お子様のペースで心理士とともに遊びます。その遊びのなかで、ストレスや葛藤をはじめとした心の問題をやわらげたり、解消をしていったりする方法です。
子どもにとってふだんの遊びは、喜びや楽しさを感じる瞬間がふくまれていたり、生活の充実につながっていくことは周知のことです。このようなふだんの遊びの特徴にくわえ、プレイセラピー独自の方法をもちいて、お子様の持つ回復力や成長する力を最大限発揮できるように心理士が手助けをしていきます。
保護者様から「ふだんもたくさん遊ぶのにどうしてカウンセリングでも遊ぶのですか?」と聞かれることがありますが、ふだんの遊びとプレイセラピーとでは遊びの目標が異なります。プレイセラピーの最終目標は、遊びを通して子どもが自分の気持ちをより自由に表現していけるようになることです。そのため、徹底的にお子様のペースに合わせてすすんでいくこと・表現してはいけない気持ちはないこと・物を壊したり人を害するなど危険なこと以外はほぼすべてお子様のやりたいことができる場所であること・常に心理士から肯定的な関心を向けられ続けることなどが特徴的です。
また、発達の課題を考慮にいれて遊びをみていくことも、プレイセラピーでは大事にしております。子どもは成長していくなかで、その年齢特有の心の課題に遭遇しますが、これを発達の課題といいます(後追い・飛び出し、トイレットトレーニングへの不安等)。遊びの内容からお子様の発達の課題や性格を理解し、どのように発達の課題に対処するパターンを持っていくか考えることも大切にしております。そして、お子様が周囲の人との関係のなかで、のびのびとみずからを表現できるように努めます。
項目 | 時間 | 料金 |
---|---|---|
インテーク | 50分 | 3000円 |
カウンセリング・ 心理療法 |
1回 50分 |
3000円
(患者様の年齢によって 若干異なる場合があります) |
鮫島 圭輝(さめじま けいき)
臨床心理士・公認心理師
■プロフィール
これまでの臨床現場では、今ある心の状態を保つ予防的なかかわりから、入院治療のなかでじっくりと心の状態のたて直しを目指すかかわりまで、患者様と共にしてきました。心の援助の専門家として、困りごととの付き合い方を一緒に模索し、改善のために必要なアプローチを整えていくこと、患者様のペースで心の世界を共に探索していくことはいわずもがな重要です。しかしそれだけではなく、“心理士”“患者様”という役割として、しっかりかかわり合いながらも、“ひとりの人間”としてかかわり合うことを大切にしております。目の前にいる方(患者様)から、ひとりの人間として影響を受け学んでいく姿勢を持ちながら、患者様の困りごとに一緒に向き合っていくこと、その最中で新たな気づきや新たな理解を患者様が得ていくような過程を、私の心理療法の要としております。
文京学院大学大学院人間学研究科心理学専攻臨床心理学コース修士課程修了。精神科病院、少年刑務所、高等学校スクールカウンセラーの勤務を経て、現在は西熊谷病院(精神科病院)と並行して、当院で勤務。精神科病院では、入院が必要な患者様、統合失調症を抱える患者様への心理療法に特に力を注いでいる。
■所属学会等
・日本心理臨床学会
・日本ユング心理学会
・日本ユング心理学研究所
・日本箱庭療法学会
髙畑 真弓
(たかはた まゆみ)
臨床心理士・公認心理師
■プロフィール
木曜日はおおむね中学生以上から成人へのカウンセリング・心理療法を、土曜日は0歳からおおむね小学生以下のお子様のプレイセラピーとその保護者様の心理面接を担当しています。これまで、子供時代の心の傷つきや、ご両親との葛藤、ご家族との人間関係の悩み、不登校や発達障害に関わる悩みなどを聞いてきました。『なおす』治療者と『なおされる』患者様という上下のある関係ではなく、一人の対等な人間としての関係を面接の中で築くことを大事にしています。いらっしゃる方が無理に聞き出されるのではなく話しやすいことから話し(お子様では遊びなどで表現しやすいことから)、批判や安易な助言を受けるのではなく、ご自分の声をご自分の耳でじっくり聞き(お子様ではじっくりと自分の気持ちを体験する)、納得を重ねる心理療法にしたいと思っています。特に関心をもっている領域は、子供時代にご両親との関係で傷つきをもつ方がご自分を育てなおす過程(リペアレンティング)、発達障害を持つ方と支える方々への支援、不妊治療に関わること、異文化適応(帰国子女等)です。
桜美林大学大学院国際学研究科人間科学専攻臨床心理学専修修士課程修了。成人の方に関わる領域では、都内の精神科病院での研修生を経て、精神科クリニックにてデイケアスタッフとして勤務しました。お子様と関わる領域では、児童館・学童クラブの巡回相談員、小児科、小学校のスクールカウンセラーとして働き、現在に至ります。
■所属学会等
・日本心理臨床学会
・日本臨床心理士会
山下 順子
(やました じゅんこ)
臨床心理士・公認心理師・臨床美術士
■プロフィール
これまで精神科・心療内科クリニック(思春期から働く大人のメンタルヘルス)、緩和ケア科(ターミナルケア)、大学学生相談、療育など様々な現場で、幅広い年代の患者様と関わらせていただきました。どのような悩み事でも患者様が「どうありたいか」模索すること、そして患者様が安心して話せるよう心がけてきました。
それぞれの年代や心身の状態により、悩みや課題も異なるため、その方に合わせた心理療法を可能な限り行っています。大人の方では、親子関係、アダルトチルドレン、虐待経験のある方等、子ども時代の傷つき体験をお聞きする機会が多くありました。幼児・中高生の方では、心身症、発達障害のお子さんと多く関わってまいりました。
また、ご希望やこちらの提案でアートセラピーを行っております。アートセラピーとは、言葉にならないものを表現の中で扱い、気づきを促すワークです。様々な素材を使い、安全に心に触れて行きます。
何か困り事がありましたら、勇気を持って一歩踏み出してみませんか。道のりは決して平坦ではないかもしれませんが、一緒に考えてまいりましょう。
文京学院大学大学院人間学研究科心理学専攻臨床心理学コース修士課程修了。精神科・心療内科クリニック勤務、大学学生相談、緩和ケア科、保育園巡回や療育、発達相談、アートセラピー業務を経て、現在は小児科心理外来並行して、当院で勤務。当院では、言語面接によるカウンセリング・心理療法・アートセラピー業務にあたっている。
■所属学会等
・日本心理臨床学会